今回は第2話です。第1話で決めた方針に基づき、NFTを作成し販売するための準備を進めます。全体の流れは以下のとおりです。
- 暗号資産Ethereum(イーサリアム)の準備:利用サービス:Coincheck、MetaMask
- NFTマーケットプレイスの準備:利用サービス:OpenSea
暗号資産Ethereum(イーサリアム)の準備
NFTの売買には暗号資産Ethereumが不可欠です。暗号資産(仮想通貨)は法定通貨とは異なり、国ではなくブロックチェーン技術によって発行・管理されるデジタル資産です。
所有には「ウォレット」と呼ばれるデジタルのお財布が必要です。Web3の世界では、Payサービスのように第三者が資産を管理するのではなく、ご自身で秘密鍵を管理します。今回は、EthereumとMetaMaskというブラウザ拡張型ウォレットを用意します。
また、Ethereumの購入には仮想通貨取引所Coincheckを利用し、日本円でETHを購入します。NFTの発行・出品時にはマイニング(ガス)手数料が発生するため、少額でもETHを用意しておかないと何も始まりません。
手順1)Coincheckにアカウント登録する

(Coincheckの会員登録画面)
以下の登録ページでアカウントを作成します:
https://coincheck.com/ja/registrations
※個人用と法人用は同じ電話番号では登録できません。複数持たない限りアカウントは1つに絞ったほうがスムーズです。本人認証ではGoogle AuthenticatorなどのOTPアプリが必要です。
手順2)MetaMaskをChromeにインストールする
MetaMaskはChromeの拡張機能です。Chromeウェブストアからインストールし、シードフレーズ(秘密鍵)を安全に保管してください。
手順3)Coincheckに日本円を入金する

日本円の入金のためには指定された口座に振り込むだけ
指定の銀行口座へネットバンキング等で振り込みます。法人と個人で名義を統一しないとエラーになるのでご注意ください。
手順4)CoincheckでEthereumを購入する

購入後の残高例:0.056538 ETH(約1万円相当)
入金後、「ETHをいくら買うか」を指定して購入ボタンを押すだけです。相場変動が激しいため、「いつ買うか」はご自身の判断で。
手順5)CoincheckからMetaMaskへ送金する

CoinCheckからMetaMaskへの送金が完了した画面
Coincheckの「暗号資産送金」メニューで、MetaMaskのアカウントアドレスを宛先に設定し、2段階認証を経て送金します。送金制限や認証タイミングに注意しましょう。
手順6)MetaMask上の残高を確認する

(MetaMaskの残高表示)
Chrome右上のキツネアイコンをクリックし、アカウント名と残高をチェックします。例)0.0516 ETH(約64.72 USD/約8,770 円相当)。ガス代の高騰によるコスト増がNFT普及の大きなハードルです。
NFTマーケットプレイスの準備
NFTの販売には、グローバルシェアの高いOpenSeaを利用します。メルカリのようなNFT版マーケットプレイスと考えるとイメージしやすいでしょう。
以下の手順は、こちらのブログ記事「NFTの出品方法を解説」を参考にしています。
手順1)OpenSeaを利用開始する
OpenSeaはID/パスワードではなく、ウォレット接続でログインします。MetaMaskとコネクトすれば即利用可能となり、サービス提供者側が認証情報を管理しない点がWeb3らしい特徴です。
手順2)コレクションを作る

(OpenSeaのコレクション作成時に用意するイメージ)
OpenSeaでNFTを出品する前に、まずコレクション(自分のお店に相当)を作成します。YouTubeのチャンネル、楽天の店舗のように、ロゴ・アイキャッチ・バナーなど各種画像を指定サイズで用意し、アップロードします。
コレクションには自分で作成したNFTのほか、外部購入済NFTなども一覧表示され、誰でも閲覧可能です。この「削除できないガラス張り」感もWeb3の特徴と言えます。

(Creator Earningsを指定する部分)
続いてコレクションのタイトル・URL・説明文・カテゴリーを設定し、Creator Earningsでは二次流通時の作者手数料率をコレクション単位で指定します。ここでは最大値の10%に設定して次へ進みます。
手順3)商品を登録(MINT)する
「Create」ボタンを押してコンテンツをアップロードし、Name・Description(日本語+英語併記可)を入力します。販売数(Supply)を100に設定し、MINTを実行。これを15種類の作品で繰り返します。

(何個MINTするかを決める画面)
操作中はCAPTCHA認証が何度も求められ、手間を感じる場面もありますが、認証をクリアするとMINTが完了します。

(15種類のイラストが並ぶコレクション)
ここまでの手順でようやく15種類のイラスト各100個がMINTされ、NFTとして存在する状態になりました。15種類のイラストがならぶと壮観です。ぜひ皆様もこのコレクション見てみてください。第3話では、いよいよ販売開始したいと思います。
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